日本っていうのは、世界中でも、かなり「ロケット打上」を見学しやすい環境にあるので、ぜひ行きましょうよ、というお話

転載先 : 実名公開しているnote記事

今日6/13は、小惑星探査機「はやぶさ」の地球帰還の日です。そして、ぼちぼち次の ロケット打上の日程が発表されるとも噂されてます。ということで、ロケット打上歴 2回の私が簡単なガイドを共有します、というものです。

直近想定される打上

宇宙基本計画工程表によれば2017年度(~2018年3月)までには 以下のロケット打上が予定されています。 その中でもっとも近いF35(Flight number 35ということで35号機)が 8月中旬打上と噂されております。

  • H-IIA F35 準天頂衛星システム3号機(QZSS-3)
  • H-IIA F36 情報収集衛星光学6号機
  • H-IIA F37 準天頂衛星システム4号機(QZSS-4)
  • イプシロン F3 ASNARO-2
  • H-IIB F07 HTV-7
  • H-IIA F38 気候変動観測衛星GCOM-C1 + 超低高度衛星技術試験機(SLATS)

H-IIA, H-IIBロケットは、鹿児島県の種子島から、 イプシロンロケットは、鹿児島県の内之浦から打ち上げられます。

打上を見に行くと決めたらやること

打上時期発表前:情報をウオッチする

打上時期は、大抵予定期間の2ヶ月前に発表されます。 これは、漁協や航空などとの調整のため、だいたい2ヶ月前には 公式に決まっていないと困る、という事情によるものです。

ですが、宇宙ファンは他の手法で推測にかかります。

  • 種子島の関係者の定宿の予約埋まり状況を見る
  • 種子島空港の便の予約埋まり具合を見る
  • ロケットの機体が、三菱重工業の飛鳥工場から出荷される日(報道公開がある)から逆算する

などといった、まあよくやりますな、という話です。

普通の人は、まあ詳しい人に聞いてみるのがよいかと。

打上時期が確定してから:車と宿を即押さえよう!

さて、打上時期がJAXAから発表されると、ここからがうかうかできません。 なぜなら、種子島は普段は観光資源が少なく、宿や車に余裕がないため、 争奪戦になるのです!

(夏になると、もともと夏休みで埋まり気味のところになるので、さらに 争奪戦は激しいはず)

やる順番はこんな感じです。

  • (最優先) レンタカーの予約 & 宿の予約
    • 種子島には合計80台程度しかレンタカーがなく、宿も30軒程度しかないので、これを真っ先に押さえる必要があります
    • 個人的お勧めは、「ニッポンレンタカーのWebで車を押さえてから、宿に片っ端から電話する」です
    • というのも、ニッポンレンタカー以外はWeb予約ができないため、電話が通じないというタイムロスが発生してしまうためです。
    • レンタカーは、打上前日から、翌々日くらいまでは一応押さえておきましょう(後述)
    • 宿については、Webサイトがあっても予約受付がメールだったりしますので、電話をかけます
    • リストは種子島観光協会のリストを下から順に、ですね(南種子町の方が打上場所に近い)。このリスト、以前はPDFではなく、一部の宿のページへのリンクもあったのですが劣化しました…
  • (次に優先) 移動手段の予約
    • 飛行機の場合、最後にかならず鹿児島⇒種子島便を使うことになります。小さな飛行機ですのですぐに埋まります。
    • お勧めは、鹿児島港からでる高速船です。90分程度で着きますし、本数も多く収容能力も高いです。
    • 種子島は南北に長い島ですので、移動時間は十分に見ましょう。少なくとも打上の半日前には入る日程にし、後は1-2日延期になっても帰れる便を取りましょう(後述)

ここまで出来たら、落ち着いて有給休暇の申請などに入りましょうw

  • (ゆっくりでよい) 鹿児島空港までの便、鹿児島での前後泊の確保

打上の日が近づいたら:見学場所などを確認

ロケットは爆発物の塊ですから、打上時には周囲3kmには立入禁止となってしまいます。 周囲は森に囲まれていたりしますので、見通しの良い見学場所からの見学となります。 公式の見学場所であれば、カウントダウンの中継などもしてくれますし、 詳しい宇宙ファンなどもいて教えてくれるのでよいと思います。

場所は観光マップをご覧下さい。 お勧め順に書きますが、

  • 恵美之江展望公園
    • 一般で入れる中では最も近く、ほぼ3km圏ぎりぎり。以前は一部のファンだけに知られていた場所だが、公式の見学場所となって整備されたために沢山のファンがおしかけ、早々と駐車場が満車になったりすることになってしまった、という場所
    • 裏技としては公園の崖の下にある恵美之湯に宿泊する、あるいは駐車場を予約するというものがある
  • 長谷公園
    • 以前はもっとも一般的だった公園。駐車場のキャパシティも十分あるし、芝生も広いので安心して見られる。
  • 宇宙ヶ丘公園
    • やや眺望には難があるが、南種子の町からは歩いていけるので、万が一レンタカーが確保出来ず、南種子の宿が取れたときにはこちらという選択肢もある
    • あとキャンプを張っても良かったはず

まあ、ここまできたら私に直接聞いて貰った方がよさそうですねw

必ず確認:リスク

ロケット打上、実質数分の楽しみのために数日かけて移動しますし、 その割には延期リスクや、曇り空リスクもつきものです…

  • 打上に危険があると判断されると遠慮なく延期されます。
    • ロケットや衛星の機器の不具合…最近はほとんどないですが…
    • 上空の氷結層(落雷の危険)・強風など
  • 打上前々日に延期の場合は1日延期で済むことが多いですが、前日になってから延期が決まると2日以上延期になります
    • これは、最終的な打上時刻の告知を48時間前に行わないといけないので
    • とくに、燃料を充填し始めてから延期になると、燃料を抜いてもどして…と作業がかなり時間がかかり、延期が数日になることもあるのです
  • 曇ったら悲しいです
    • 打上ができても曇っていたらすぐ見えなくなっちゃいます。仕方ないですが…
    • 多少の雨でも、風がつよくなく雷が落ちなければ上がってしまう場合もあります…

こういうリスクも把握した上でも見に行きたい、ということであれば、 是非見に行きましょう!