山本憲司「セブン-イレブン1号店繁盛する商い」書評
長沼伸一郎「物理数学の直観的方法」を買いに言ったときについで買いした
山本憲司「セブン-イレブン1号店繁盛する商い」
- 有名な「一号店」を出した人自身の言葉。これは貴重。鈴木敏文自身の著書「商売の原点」「商売の創造」に匹敵すると思う。そこで書かれたことの鏡像が書かれている。そして一気に読める読みやすさ。
- セブンイレブン本は数あれど、「基本を徹底しきる」というセブンの本質的な強みを分かっていれば不要な本が大半だけれど、これはそういう人にも学びが多い。本部の強みがこう現れるか!というエピソードに加えて、「一号店の経営者がこういう方だから、店舗と本部が互いに高めあえる経営ができたんだな…」と感じさせるエピソードも随所にみられました。
- あと、鈴木敏文の著書では気づきにくかった、伊藤雅俊の役割、伊藤雅俊という基盤をさらに徹底してやりきったのが鈴木敏文なのか、という2段ロケット構造に気づかされるのがsomething newですね。セブンイレブンというよりコンビニという産業を生み出したのは鈴木敏文ですが、その方向のベースは伊藤雅俊と一致しているように店舗からは見えていた(加えて言うなら米国サウスランド社が生み出した当初のセブンイレブンにも現在の源流があるように見えていた)という構造が面白い。
- ちなみに、FCさん側ですから個店の強みにフォーカスが当てられてますが、鈴木敏文なきセブンの本部の直近の施策は、フランチャイザーとフランチャイジーのよい緊張関係を満たしているんだろうか…とちょっとだけ不安になります。
- ちなみに読み物としては、多くのビジネスマンが知ってる
- セブンイレブン一号店は豊洲
- 初日に最初に売れたのはサングラス
- というエピソードは押さえつつ、その前後に肉付けされる エピソードが、昭和史の貴重な証言でもあります。 てか二号店は相模原市相生の直営店だったんか…とか。